膝関節症にたいする脂肪幹細胞の有用性~1
変形性膝関節症に対して脂肪幹細胞を投与した結果の論文が発表されました。
今回ご紹介する論文は2022年の5月に発表されたばかりの論文です。
Safety and Efficacy of the Intra-articular Injection of Mesenchymal Stem Cells for the Treatment of Osteoarthritic Knee: A 5-Year Follow-up Study
この論文では変形性膝関節症で苦しむ患者さんに脂肪幹細胞を投与したところ、5年間にわたり疼痛の改善が維持する事が証明されました。
今回の論文では5年間までを研究対象としていますがより長期間にわたり効果を自覚する可能性も十分にあります。
また今回の論文では3年間にわたり大腿骨の軟骨の再生する様子がMRIで確認されました。一般的には一度損傷した軟骨はほとんど再生されないとされますが、脂肪幹細胞の効果により、軟骨の再生が証明されたことは非常に重要な発見です。
写真をご覧ください。
一番左の写真では大腿骨の表面には何もありませんが時間と共に黒い線が見えてきます。この黒い線こそ、軟骨なのです。
軟骨は人体の中でも再生が難しい組織の一つですが、注射薬で回復が促されるとすれば、体への負担も小さく魅力的です。
まとめ
脂肪幹細胞により、低侵襲で大きな効果が得られる治療の選択が可能になりました。これまでは手術でしか治療できなかった変形性関節症が大きなターニングポイントを迎えています。
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